2018/01/03

クジラ肉の分配について

クジラが捕れると、以前にも紹介した通り、銛を打った順番で各クジラ組のもらえる部位が決定する。
クジラから切り取られ、一箇所に集められた肉とマクタック
クジラが氷上に引きあげられると、各クジラ組は自分たちの取り分の箇所に取り付いて、マクタックや肉を切り取り始める。
これらはひとまず一箇所に集められ、各クジラ組の海岸のキャンプ地へと運び、タープ(ブルーシート)をかけて、一時保管される。
氷上での作業が一段落したら、キャンプ地にまとめて保管してある、肉、マクタックの分配を始める。

各クジラ組には、猟に出ている男性、それを手伝う下働きの少年(Boyer、ボイヤー)、料理を作って男性たちを支えている女性たち、総勢で20名近い、あるいはそれ以上のクルーがおり、その人数に合わせて、均等に肉、マクタックを分配する。
分配は、キャプテンからボイヤーまで、分け隔てなく均等に分配する。キャプテンだから多め、ボイヤーだから少なめ、といったことは一切ない。
手前側は分配された肉、奥は分配されたマクタック

まず肉塊で大まかに人数分の山を作り、地面(雪面)に並べる。
そこから小さな山には肉を足し、大きすぎる山からは肉を抜き取り、同じ大きさの山を作る(マクタックも同様)。
その後、各自が好きな山を選んで家に持ち帰る。
この分け前のことを「ニギャック」と呼ぶ。

この写真の場合、一人当たりの取り分は肉、マクタックともに一人当たり10キロ以上になった。
家族で猟に関わっていれば、ひと家族あたり数十キロの肉が一回の猟で手に入ることもある。
持ち帰った肉は、時間に余裕があれば、小さく切ってジップロックバッグへ詰めて冷凍保存する。
時間に余裕がなければ、大きなポリ袋(ゴミ袋を使用している)のまま、巨大な冷凍庫へ投げ込んでしまう。ただし、これをすると、冷凍庫の底に張り付いたりして、取り出す際に苦労することになる。

2018/01/01

2018年のご挨拶

みなさま、明けましておめでとうございます。
相変わらず更新の少ないブログですが、今年もよろしくお願い致します。

今年から僕の所属するクジラ組も世代交代。キャプテンが新しくなります。
それに伴い、いろいろなことがあると思われるので、新キャプテンのために今まで以上に働かないといけないな、そう思っています。

今年でポイントホープに通い始めて26年になります。
古い世代はどんどんいなくなり、新しい技術がどんどん入り、さらに年々温暖化が進んでいます。
人も文化も気候も加速度的に変化していることを身を持って感じています。
目の前で廃れていく文化があり、知れば知るほど知らないことが増え、学ぶことは常に増え続けている感じです。

既に人生の折り返し点は過ぎたような気がしないでもないですが、まだまだ続けますよ。